会社経営をしていれば、売上減や事業変化によって苦戦することもあるはず。「社員全員一丸となって、この難局を乗りきろう!」とは言っても社員がついてこない。そんなときは、どうすれば? 今回は、社長や経営者向けのビジネスコーチをしている長谷真子氏の著書『社長! いま大丈夫ですか? みんなが笑顔になる全員経営!』から、「気が付けば社員が寄ってくる」33エクササイズのうち3つをご紹介します(※1)。
■ エクササイズ例1.“母ちゃん”がしてくれたことを3つ思い出す
会社全体の構造を支えている社長は、まさに会社における“母ちゃん”的な存在。小さい頃、親に自分の欲求を受け止めてもらったときの情景をイメージすることで、「日々やらなければいけない雑多な仕事を文句も言わずにしている人(社員)が、実は会社と社長自身を支えている人なのだ」という気づきを得ます。その結果、見えない仕事をきちんとする人への敬意と配慮、そして無償の愛をもって接する母心(=包容力)につながります。
■ エクササイズ例2.「相手が失敗したら自分の負け」という一日を体験する
「相手が失敗したら自分の負け」という一日を体験し、どんな心理変化が起きたかを味わって、書き留める。(例 テニスなどゲームでもOK)
相手が失敗したら自分の責任(=負け)というルールを課すことで、相手がミスをしないために自分ができる最大限の努力をする思考とプロセスが身に付きます。「他己責任」とは著者の長谷氏が生み出した造語で、失敗したらすべて「自己責任」という観念を真逆に捉えたもの。その「他己責任」をビジネスに応用することで、相手をよく見て思考・趣向を把握する、そして相手に伝わりやすい方法で仕事を依頼することが意識できます。
■ エクササイズ例3.小さなゴールを時間内に達成する
「~のために~したい!」という小さなゴールを時間内に達成してみます。家事でも仕事でも、簡単で自分だけで終了できるものにしてください。(例 「茶碗洗いを10分で終わらせる」など)
小さな目標を達成することで、“家事や仕事=面倒な雑用”から“創り出したい世界の達成訓練”に変化します。「自分がどう扱われるのか」に囚われるあまり、「我々は何を創り出したいのか」に注力できない人が自意識から抜け出すには、「~のために、~したい!」という目的と欲求を持つことが大事。期日を決める、現状を見る、効率を考える…等、小さなゴールから行動に移すことで、創り出したいものが事業の中での理念になります。
この記事では3つだけを紹介しました。著書では上記を含め、33のエクササイズが書かれています。もっと会社を良くしたい、チームを良くしたい、お客様に価値を提供したい。コロナ禍で社会が大きく変化していく今こそ、経営者としての情熱と感謝を思い出してみませんか。
【参考】
※1. 長谷真子(2020)『社長!いま大丈夫ですか? みんなが笑顔になる全員経営!』Kindle版
※写真:マハロ / PIXTA(ピクスタ)、本文とは直接関係ありません