お子さん連れの離婚の場合、離婚について、子どもにどう説明したらいいか悩む方は少なくないと思います。じつは子どもへの説明はとても大切です。離婚後に自分はどうなるのか不安に感じている子どもに、一人の人間として、家族の一員としてきちんと説明しましょう。
以下は、子どもに伝えるべき大切な内容6つです。
1.離婚の理由
幼い子には、事細かく理由を話す必要はありませんが、誠実に対応します。小学校高学年、中学生以上のお子さんに嘘や誤魔化しはききません。相手の悪口・誹謗中傷をせずに、事実は事実として話します。お子さんの年齢や性格を考慮し、タイミングや話す内容などを予め決めておくといいでしょう。
2.離婚後の生活について
2つ目は、離婚後の生活についてです。どちらの親と住むのか。離れて暮らす親と会えるのか。住まいや学校はどうなるかなど、子どもは将来のことをとても不安に感じています。まだ決まっていないときは「決まったらお話するね」と伝えると安心するでしょう。
3.親の愛情を伝える
両親が別れることで、自分への愛情もなくなってしまうのかと不安に感じています。両親はこれまでと変わらず、ずっと愛していることを伝えます。「親の愛情は、今後も変わらない」こと、「心配しなくていい」ことを繰り返し伝えましょう。
4.離婚の原因は子どもではないことを伝える
特に幼い子どもは、自分を中心に思考するところがあります。まだ小さいから、とかわからないから、と説明を省略してしまうと、「自分のせい」だと感じることがあります。離婚は「あなたのせいじゃない」ことを繰り返し伝え、子どもが感じている不安を取り払ってあげましょう。
5.別居親にも会えること
子どもは、離れて暮らす親には会えるのか、不安に感じているので、どのくらいの頻度でどのように会うのか、など具体的に伝えましょう。子どもの権利でもある「面会交流」は、自分の気持ちと切り離して考えるのがポイントです。DVや暴言などで会わせることに不安がある場合は、「面会交流」の支援機関の利用も視野に入れましょう。
6.今より幸せになるための選択
離婚は「親が決めた、幸せになるための選択」であることを伝えます。子どもの喪失感を和らげ、親の離婚を受け入れる助けとなります。
■ 子どもの気持ちや意見を聞く
親からの説明だけでなく、子どもの希望や意見も聞いて、可能な範囲で叶えてあげましょう。ただし、意見を聞くだけにとどめ、「どっちの親と住みたい?」など、子どもに親を選ばせるような聞き方はタブー。あくまでも決定権は親にあります。「お父さんと暮らしたらどんな感じになりそう」「お母さんと暮らすとどうかな」など、やんわりとイメージを聞くのもいいでしょう。
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)]
※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません