2014年春入社の新入社員も、あと数か月経てば先輩に。入社半年後の彼らの意識を、日本生産性本部が調査し発表しました(※)。「女性新入社員、管理職に「なりたくない」が72.8%」との見出しが目をひきます。なお、男性新入社員の同回答は34.5%。また、政府の目標は2020年までに女性管理職の割合を30%以上にすることですから、これは今から「女性の意識が…」という言い訳かもしれません?! (苦笑)

 

■ 男性は「自分の時間」、女性は「専門性」

「なりたくない」と答えた理由別の男女比は、以下のとおりです。

1. 自分の時間を持ちたい
男性:56.2%、女性:38.9%

2. 専門性の高い仕事がしたい
男性:14.6%、女性:23.7%

3. 重い責任のある仕事は避けたい
男性:12.5%、女性:15.3%

4. 組織に縛られたくない
男性:12.5%、女性:15.3%

 

項目1と2について、働き方に対する男女の意識の違いが明らか。女性としての生き方を考慮しているためだと思われます。筆者がキャリア・カウンセリングで出会う20代女性の多くは、ライフプランを作る際に、結婚・出産・育児・家族とともに転勤する可能性までも含めています。どこに行っても何歳になっても、仕事に就きやすいような経験を積みたいと考えているようです。

また、項目3と4の男女比に大差ないことからも、調査結果の見出しにつられて“成長意欲が低い”と捉えることは、早計かと。ライフに変化があることを予期するがゆえの結果なのです。
一方、「管理職になりたくない」とは、成長するチャンスを自ら閉ざすかのようで、キャリア・カウンセリングの視点ではもったいない。

 

■ 自分資源を持つ

キャリア・カウンセリングでは、予期していた出来事が起こる状況、出来事が起こらない状況のいずれも、本人にとって「転機」になると考えます。たとえば、予定どおりに30歳で結婚することになっても、結婚の予定がないとしても、30歳以降の自分はどのように生きるのか? と手立てを考え、行動する必要が生じますよね。それが「転機」です。

手立てを考えるとは、自分の資源を知り、活かす方法を考えること。仕事経験は資源のひとつですから、その時になって「大した仕事をしていない」と自信を失わないためにも、管理職になることを視野に入れて働いてほしいのです。管理職になるか否かは、その時になって決めればいいのだから。

悩める新入社員が身近にいたら、先輩としてこのような一言を伝えてくださいね。

[執筆:五十嵐 ゆき(キャリアコンサルタント), 2015年1月2日]

 

【参考】
『公益財団法人日本生産性本部』「2014年度新入社員 秋の意識調査」2014年12月22日発表
※写真:(c)SHOJIRO ISHIHARA / 123RF.COM、本文とは関係ありません