産後ママの多くが感じやすいのが、「夫への強いイライラ」。育児をわかりあいたい、そして助け合いたいはずの夫になぜかイライラが止まらない時期があります。NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? 最新科学で迫るニッポンの子育て』(※1)ではその理由を科学的に解明しました。

 

■ オキシトシンは諸刃の剣

番組によると、母親の体内で分泌されるホルモン「オキシトシン」が密接に関わっているとのこと。オキシトシンは、出産時や産後の授乳時、わが子と触れあっている時などに多く分泌され、脳に作用して、わが子やパートナーへの愛情を強める働きをしています。

ところがオキシトシンは、愛情だけでなく、同時に「他者への攻撃性」を強める作用もあることがわかってきました。育児に非協力的な夫は「攻撃の対象」となり、イライラ感が強められて産後クライシスを招く恐れもあるというのです。まさにオキシトシンは諸刃の剣ですね。

 

■ 攻撃ではなく愛情を深める為に

更に番組では、育児ママのストレス状態を、心拍や副交感神経の変化から測定しました。ママが何をしている時にリラックスして、愛情が強められやすい状態になるかを実験しました。この実験によると、夫が妻の育児相談に真剣に耳を傾けているだけでも、妻のリラックス状態が安定して続いていることがわかりました。

 

■ 共感力でストレスが低減する

人は元来「わかってもらいたい」と思う生き物です。誰かがちゃんと話を聞いてくれるだけで気持ちがよくなるものなのです。反対に、話を聞いてもらう代わりに自分の経験や助言や批判をされたらどうでしょう。すっきりするどころか、混乱したり頭に来たりイライラすることもあるでしょう。批判や助言をするのではなく、あるがままで受け止めてもらうことでストレスも低減できるのです(※2)。

 

いかがですか? 産後のイライラはママのせいではないのです。イライラする自分を責めず、「よく頑張っているね」と自分を優しく抱きしめられたらいいですね。産後は心も体もとてもデリケートな時。家族一丸になって、優しくそして大切にフォローしたいものですね。

[執筆:久保木 惠子(コーチ), 2016年4月7日]

 

【参考】
※1. NHKスペシャル「ママたちが非常事態!? 最新科学で迫るニッポンの子育て」
※2. アン・ワイザー・コーネル(1999)『やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方』pp.37-38より, コスモス・ライブラリー
※写真:wavebreakmedia / PIXTA、本文とは関係ありません