帝王切開で出産をしたママは、自分のお産を後悔するという話をよく聞きます。自分は帝王切開で出産をした、経膣分娩ではなかった、と自分を責めるママもいるのです。

 

■帝王切開は失敗のお産?

ママ友と出産時の話になると、それとなく話題を変えてしまう。陣痛の痛みを経験し、それに耐えたママ友がとても立派なママに見える。一方で、自分は帝王切開で出産をしたから、陣痛の痛みを知らない……。

「お腹を痛めた子はかわいいよね」と言われるたびに、自分は他のママよりも劣っているように感じてしまう。帝王切開は失敗のお産のようで、後悔と自責の念で苦しむママもいるのです。

 

■自分の価値観、他人の価値観

「経膣分娩をすることであなたは何が得られますか?」

お腹を痛めて産んだ子はかわいく思えるから、痛みを乗り越えることは母親のパスポート、経膣分娩以外はお産ではない、もっと育児がうまく行くかもしれない。人によって回答は様々かもしれません。あなたの答えは、本当にあなたの回答ですか? 幼少期に祖母から「自然に生んでこそ立派な母親になれる」と言われたのかもしれません。帝王切開で出産し、後悔をしている母親を見ていたからかもしれません。

きっかけは様々ですが、あなたの価値観だと思っていることは、他人の価値観であることが多いのです。他人の価値観と自分の価値観の線引きができると、気持ちはぐっと楽になります。

 

■帝王切開もちゃんとした立派なお産

産婦人科医の荻田和彦先生が著書の中で、「帝王切開もちゃんとした立派なお産です。だから誇りをもって育ててください」と声を大にして言っています。荻田先生は、連載漫画「コウノドリ」の主人公、鸛鳥サクラのモデルとなった産婦人科医です。赤ちゃんやママを危険にさらしてまで経膣分娩はすすめない、母子ともども命の危険にさらすのは本末転倒も甚だしい、とも述べています(※1)。

筆者は先生の意見に深く共感をします。出産の目的は母子共に健康であること。その目的を達成するのなら、手段(分娩方法)は問わないのです。

 

いかがでしょうか? 他人の意見はラジオのチューニングと似ています。雑音にチューニングするのではなく、プロの意見にチューニングをする。雑音は、チューニングを外すことでかき消すことができるのです。

[執筆:久保木 惠子(産後ママのサポートコーチ), 2017年11月17日]

 

【参考】
※1. 荻田和秀 (2015)『嫁ハンをいたわってやりたい ダンナのための妊娠出産読本』講談社+α新書, pp.105より

※執筆者:久保木恵子(産後ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。(久保木恵子の詳細

※写真:soleg / PIXTA、本文とは関係ありません