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娘自慢の母との付き合い方…アイデンティティはどこに?
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娘自慢の母との付き合い方…アイデンティティはどこに?

■ 娘の自慢話をしている時が一番幸せな母親

娘の自慢話をする母親は数多くいます。「お宅の娘さん、成績が1番ですってね」「お嬢さん、綺麗ね。モデルになれるんじゃない?」。

ご近所さんやママ友からのこのような褒め言葉は母親にとっては勲章のようなもの。しかしその娘も就職し結婚して普通の生活を送るようになると、母親は自慢話をしたくても、ネタがありません。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のところには、このような母親をもつ娘さんが相談に来られます。大企業に勤務していたA子さん(28歳)は、結婚式の二次会で知り合った男性と結婚しました。「夫は中小企業に勤め、母はそれも面白くなかったようでした。いわゆる普通の結婚をして主婦になり、自分ではそれなりに幸せだと思っていたのですが、そんな私に母親は関心をもたくなってしまったのです」。

結婚するまでは休日など母娘で買い物に外出することもあったそうですが、結婚後は母親が連絡してくることはほとんどありませんでした。

 

■ 今度は孫が標的に?

そんな状況が変わったのはA子さんが出産し孫が成長してからです。たまたま近所の有名私立幼稚園に入れたことで、母親は孫の自慢話ができるようになったのです。その後は再び一緒に出かけることもありますが、A子さんは母親の心変わりに複雑な思いを抱いています。

「幼い頃、母が喜ぶのが嬉しくて私はバレエを習って主役になり、勉強も常にトップを目指して頑張りました。でも、それは母の自慢話をしたい欲求を満たすためのものだったのですね。母が愛してくれたのは、私がバレエで主役を取ったから? 成績が一番だったから? そう考えたら自分はいったい何なのか、わからなくなりました」。

A子さんの場合は、母親の関心が娘から孫に移りましたが、筆者に寄せられる相談では姉から妹へなど、兄弟姉妹間でシフトすることも。同じような相談が多いのは、母親の態度が変化したことで、自分のアイデンティティが揺らいでしまうところに苦しむ人が多いからでしょうか。

 

このようなケースでは、母親から、あるいは他人からの評価を気にする自分の思考癖を見つめ直してみましょう。他人のではなく自分で自分を評価する、ここに意識をもってくることで新たなアイデンティティの発見につながるはずです。

[ 執筆:真香(母娘関係改善カウンセラー)  ]

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