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「授業料を返済しろ」と迫る母…どう対応すればいい?
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「授業料を返済しろ」と迫る母…どう対応すればいい?

今春、学校を卒業し新社会人としての生活をスタートさせた人にとっては、毎日が緊張の連続かもしれません。なんの束縛もなかった学生時代に戻りたい……。一方、学生時代に奨学金を受け取っていた人は、返済が始まります。

 

■ 大学の授業料、そもそもいくらなの?

ここ数年の奨学金平均返済額(※1)は約280万円、返済期間は約16年かかるといいます。一方、親がお金を出してくれた場合、入学から卒業までおよそどのくらいの費用がかかるでしょうか。調査(※2)よれば、私立大文系で在学中の授業料は約360万円です。これだけの金額を払ってもらっている事実を知っていれば、授業をさぼるなんてとんでもないと思えますよね。

 

■ いきなり授業料を全額返せと言ってくる母親

親にこれだけの費用を出してもらったことに感謝し、一生懸命学んで社会に出た。それが親孝行であり、学費を出してもらった事への恩返しと考える人も多いでしょう。卒業後、親に学費を返済するケースは少ないかと思われます。ところが、母娘関係改善カウンセリングを行っている筆者のもとには、このようなご相談が持ち込まれる事が複数あるのです。

千葉県在住のA子さん(27歳・事務職)は、2年交際した彼と結婚を決意し、親に紹介しました。ところが、母親は学歴がなく収入もA子さんより低い彼の事が気に入らず、結婚を大反対。そして、もし親の反対を押し切って結婚するなら、大学の授業料を全額返済してから出て行けとまで言われてしまいました。A子さんにしてみたら結婚費用の準備で大変なのに、今さら授業料を返せと言われても……というのが正直な気持ちです。

実は、A子さんのケースは決して珍しくはなく、親と衝突した時に「返済しろ」と言われてしまう事があります。そもそも授業料は親に返す必要があるのでしょうか?

たとえば、家庭によっては子供が大学受験を希望し親と話し合いになったとき、経済的にも厳しいので一応は払うけれど、社会人になって少しずつ返済するといったことを取り決めする親子もあるでしょう。ところが、受験時何も言わず、子の合格後学費を払ったのは親の決断です。A子さんの場合も、学費を支払ったことで親の生活が極貧になったというわけでもなく、そこはきちんと話し合うべきでしょう。しかし、結婚費用に関しては、親の援助をあてにしない方が賢明かもしれませんね。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]

 

【参考】
※1. 『マイナビ 学生の窓口』「4割以上の人が活用した奨学金、返済額は平均288万、完済までは約16年」2014年3月12日
※2. 『Benesse マナビジョン』「入学から卒業までにかかるお金(2)学費編」

※写真:PIXTA、本文とは関係ありません

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