夫婦関係・離婚カウンセラーの筆者が、相談者さんによく伝えているのが、「心の中は見えないので、口に出して伝えてくださいね」というアドバイスです。面倒だったり恥ずかしかったりして、思いを伝えるのは苦手だという方もいますが、感じたことや考えていることは、やはり言葉にしないと相手には伝わりません。
■「愚痴」や「文句」は、夫婦げんかに発展しやすい
ですが、何でもかんでも話せばいいと言うわけではないということも知っておいてほしいと思います。とくに、いちばん身近な存在であるパートナーに話す時は、注意が必要です。身近であるがゆえに、甘えと依存が表面化しやすく、夫婦間で問題が生じた時につい感情的になりがちです。
「愚痴」「文句」の部類は、夫婦げんかに発展しやすいと心得て。普通に話していたつもりでも、怒りスイッチが入ることで、口調がきつくなり、声も大きくなり、非難がましくなります。黙っていられない、文句を言わずにはいられない、と気持ちがどんどんエスカレートしていきます。
「あなたって、いつもそうよね!」
「私の話をちゃんと聞いてないでしょ!」
「全然わかってないんだから!」
これらは、夫が耳を塞ぎたくなるセリフの代表的なもの。妻の愚痴や不満、批判めいた言葉を聞かされるのは大の苦手で、自分が責められているような気持ちになります。
妻の言い分としては、問題にきちんと向き合ってほしいのですが、シャイで繊細な心をもつ男性は、妻が不満そうにしていたり、ふてくされていたり、不機嫌な態度や状況を認めたくない。そのため、問題から目をそらして無視したり、逃げてしまったり、ひどい場合は逆ギレすることもあります。まさに妻の思いとは裏腹な態度をとってしまうのです。
■穏やかな話合いをするために「提案」を心がける
口調がきつくなるのは、自分の主張を通そうと頑張っていることがほとんどです。なので、話合いの際は、主張ではなく、「提案」を心がけるのがおススメです。
「私はこう思うのだけど、あなたの考えはどう?」
「こうしたいのだけど、こんな方法があるよ」
「あなたの意見を聞かせて」「ちょっと検討してみて」
例えば、このように伝え方を工夫するだけでその後の展開が変わります。
場所や時間帯など、話をするタイミングも大切なポイントです。穏やかな話合いをするためにも、ぜひ心がけてみてください。
夫は愚痴を言う相手ではありませんし、愚痴の吐き出し場所でもありません。愚痴や不満がたまりすぎていて、穏やかに話せそうもないという場合は、筆者のようなカウンセラーを頼ってください。思いをアウトプットすることで、心の整理がついて、冷静に客観的に一歩前に進めますよ。
カウンセラーには守秘義務がありますので、お聴きした内容を決して口外することはありません。すべて吐き出してモヤモヤを解消してくださいね!
[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー) ]
【参考】
※ 執筆者:渡辺里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー)について。女性専用のカウンセリングサービス『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの夫婦問題・離婚の相談にのっている。
※写真 :horiphoto / PIXTA、本文とは直接関係ありません