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子どもの虐待死事件、無力感や虚無感が苦しいあなたへ
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子どもの虐待死事件、無力感や虚無感が苦しいあなたへ

東京目黒区のアパートで、両親から虐待をうけて5歳の女の子が死亡しました。しつけと称して暴力を振るわれ、十分な食事を与えられず、体重は5歳児の平均を大きく下回る12キロ。「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」と書いた反省文。亡くなる数日前には、自力でトイレに行くこともできず、1歳の弟のおしめをつけていたとのこと。次々と明らかになる凄惨な内容に、胸が押しつぶされそうになった方も多いと思います。更には「自分は何もできなかった」と無力感にすっぽりと支配をされ、心身ともに不調を訴える方も見受けられます。

 

■まずは、あなたができることから

もしあなたが、「私は、この亡くなった女の子に何もしてあげられなかった」と罪悪感や無力感に苛まれているのなら、目の前にいるあなたの子どもを「大好きだよ」と言っていっぱい抱きしめてください。子どもが大好きな食事をお腹いっぱい食べさせてあげてください。子どもに心と体の栄養をいっぱい与えてください。幼児虐待を根絶するためには、社会の仕組みの変更も必須ですが、社会の仕組みはすぐには変わりません。でも、あなたの行動はあなた次第で、今すぐにでも変えられるのです。

 

■Think globally, act locally

なんだそんなこと、と思う方もいるかもしれません。自分1人が自分の子どもだけを可愛がって何になるのか、とも思うかもしれません。しかし、あなたの様な方が100人いたらどうでしょう? 夫婦の間に1人の子どもがいると仮定すると、100人の子どもは愛情一杯に健やかに育つのです。1人1人ができることは些細なことですが、その輪が広がると大きな輪となるのです。

唐突ですが、“Think globally, act locally”という言葉をご存知ですか? 「地球規模で考え、足元から行動せよ。」これは、環境問題を語る時によく使われる言葉です。筆者は虐待も同じと考えます。社会から子どもの虐待死を無くしたいのなら、まずはあなた自身が、あなたの足元から行動すること。まずは自分の子どもを愛情持って育むことからなのです。

 

目黒区の虐待死を受けて、識者が幼児教育の義務化を提唱したり、児童相談所の有り方を見直したりと、ようやく社会の仕組みの改変が始まりました。ここまで来るまで、何人の子どもの尊い命が犠牲になったのでしょうか。全ての子どもたちが、心も体も栄養いっぱいに育つことを願ってやみません。

[執筆:久保木 惠子(乳幼児ママのサポートコーチ) ]

 

【参考】
※『朝日新聞デジタル』「死亡の5歳、ノートに「おねがいゆるして」両親虐待容疑」2018年6月6日

※この記事の執筆者:久保木恵子(乳幼児ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。

※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません

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