モラルハラスメント、略してモラハラ。モラルハラスメントとは道徳や倫理的な嫌がらせという意味があります。具体的には、相手を無視する、暴言を吐く、にらみつける、嫌みをいう、馬鹿にする、相手を貶めたり不機嫌にふるまったりする言動をとる。そんな行為がモラハラに該当します。モラハラが原因の離婚相談も多いのも事実。筆者の友人の離婚カウンセラーによると、離婚相談の9割がモラハラが原因とか。そこで今回は、モラハラか加害者の心理を読み解いてみます。
■ モラハラ被害者が加害者になる
メンタル・コーチとしての筆者の立場から言えば、ずばりモラハラ被害者が加害者になるケースがほとんどです。親が過干渉で自分の意見を口にできなかった。「子どもは親の言うことを聞いていればいい」と意見をもつことすら禁じられた。成績がよければ親から褒められ、悪い点数の時には夕食が抜きにされた。言うことを聞かないと、大声で怒鳴られて暴力を振るわれた。そんな子ども時代を過ごし、自身が大人になって同じことをする。そんな世代間の負の連鎖が見受けられます。
■ 親への怒りが「現在進行形」の場合は要注意!
誰しもが、一度や二度は親に怒りや不満を抱いたことはあるはずです。しかしながら、モラハラをしてくる人は、親への怒りが今でも強い人が多いのが特徴。つまり親への怒りや不満が「現在進行形」。怒りが「過去形」になっておらず、「現在進行形」なので、次から次へと怒りが湧き出てくるのです。湧き出す怒りは出口が必要。そしてほとんどの場合は、身近な人が出口になることが多いのです。こうして、モラハラ被害者が加害者になる図式が成立してしまうのです。
いかがですか? モラハラ加害者の心理を読み解くと、転ばぬ先の杖で、モラハラ予備軍から自身を遠ざけて守れます。「あれ? この人はモラハラ加害者かな?」と思ったら躊躇せずに距離を取ること。間違っても「相手は幼少期に辛い体験をしたのだ、自分が癒してあげよう」などとは思わないことです。この発想は大変危険です。なぜならば、モラハラ被害者が加害者にならないためには、本人の意志が肝心となります。あなたの意志ではありません。そしてこれは、モラハラ加害者の問題であり、あなたの問題ではないのです。境界線はきちんとひき、自分の身は自分で守りましょう。
(※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません)