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「もしかして嫌われた?」と落ち込む前のメンタル修正術
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「もしかして嫌われた?」と落ち込む前のメンタル修正術

相手と仲良くしたいと思っているのに、なんだか会話が弾まず続かないとき、なんとなく気まずくなりモヤモヤしてしまいますよね。そんなとき、その相手が別の人と楽しそうに会話をしているのをたまたま見てしまうと、急に不安になって、「もしかして私、嫌われたかも?」と落ち込んでしまい、人間関係が憂鬱になったことはありませんか?

今回は、心理カウンセラーの立場から、嫌われたかもと思ったときに潜む思い込みと、その修正ポイントをお伝えします。

 

1.思い込み「私と親密になりたいなんて人なんて、本当はどこにもいないんだ」

幼少期や学生時代、人間関係で辛い思いをした人は、どうしてもそのときのことが根強く残ってしまいます。また同じ思いをしたくないから頑張ろうと思う反面、自分はどこか人から嫌われる要素があるのではないかと不安になり、人間関係を築くことを回避しようとするところがあります。

ところが、大人になってから知り合うほとんどの人は、あなたの過去を詳しく知りません。しかし心の中は辛い思いをしたときの自分で止まっています。相手は過去の自分ではなく、今の自分(あなた)との関係を結ぼうとしているのです。

心の中の自分を、過去の自分から今現在の自分にチェンジしておきましょう。

 

2.思い込み「機嫌を損ねたら嫌われてしまう」

人から嫌われたくないと言う人は、「嫌われない」ことを優先しています。さらに「みんな」に嫌われたくないのです。「みんな」に好かれなくてもいいから、最低限、嫌われたくないと考えています。いつも相手の顔色を伺い、常にアンテナを張り巡らせています。一日が終わる頃には疲労困憊であるにもかかわらず、今日の自分の言動は大丈夫だったか不安になってしまいます。

「嫌われない」ことを優先すると、相手からは、いつもどこかぎこちなく、無理しているように見えてしまいます。相手も、自分との関係が迷惑なのではないか、もしかしたら自分のこと怖がっているのだろうかと考え、不安になってしまいます。過剰な気遣いは、かえって相手に警戒心を招きやすくします。

先回りして考える癖が出てきたら、そこでストップさせましょう。

 

3.思い込み「自分のことを話したら、本当の自分がバレて嫌われる」

本当はあなたは、自分自身が好きになれず、嫌いなのではないでしょうか。だから本当の自分を出すときっと嫌われてしまうという思い込みがあります。そう思い込んでいるので、自分から自分の話をすることは一切ありません。また相手から聞かれても答えにつまってしまい、なんとなくその場の空気が微妙になります。

しかし相手からすると、なぜあなたが自分のことを話したがらないのか不思議に思います。あたりは優しくていい人だけど、何を考えているのか、自分のことをどう思っているのか全然つかめず、一定の距離を保つ方がいいと考えてしまうのです。

すべてを開示しなくてもいいので、今思ったことや感じたことを短く伝えることから始めましょう。

 

4.思い込み「機嫌が良くないのは、きっと自分に原因がある」

相手の機嫌が悪かったら、すべて自分に原因があるという思い込みです。そして過去の言動を振り返り、原因探しに没頭します。たとえ心当たりがなくても、自分が何かしたのだという信念で自分を責めてしまいます。

人はそれぞれ他者からは見えない事情を抱えています。その日の感情(機嫌)も、体調や家族関係、恋人とのささいなやりとりで変わるものです。しかし自分に原因があると思ってしまうと相手の前で萎縮してしまいます。その姿に相手は無意識で罪悪感を覚えたり、余計にイライラしてしまうことがあるのです。

原因がなにかわからないときは、とりあえず自分50%、自分以外50%の法則を取り入れましょう。

 

5.「嫌われたかも」と思ったときの対処法

何か心当たりがあるのであれば、直接相手に聞いてみましょう。怒っていることが怖くて何日もそのままにしていると、反対に謝るきっかけを失ってしまいます。また本人以外の人に原因を聞き回ると、その行動も誤解を与えてしまうことがあります。

心当たりがないのであれば、機嫌を取ろうとするのではなく、相手がクールダウンする時間を取るため、少し距離と時間をおきます。自分は普段通りに過ごしているのがベストです。

そして本当にその相手と親密になりたいのかを振り返って見て下さい。自分は誰かと仲良くできる人だと見られたいだけではありませんか。人が仲良くしてくれることで、ここにいてもいいと思えたり、必要とされていんだと思えるからではありませんか。相手からの働きかけをいつも期待して待っていては、対等な関係が作れず、楽しい会話のキャッチボールができません。

人間関係は二極(仲がいい・仲が悪い)だけではありません。実際は二極の間に何層もあり、その層の間を行ったり来たりするものです。「嫌われない」ことを優先せず、少しずつ自分を出していきましょう。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※写真:y.uemura / PIXTA、本文とは直接関係ありません

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