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春なのにだるい、やる気が出ないときのメンタルの整え方
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春なのにだるい、やる気が出ないときのメンタルの整え方

新年度がスタートとして、あっという間に4月も後半になってきました。新しい環境で新生活をスタートし、新たな気持ちで頑張ろうという人が多いこの時期は、やる気に満ちたエネルギーに包まれます。春は軽やかにスタートダッシュを切り、そのまま波に乗りたいと考える人も多いでしょう。

そんな中、なかなか思うようにやる気が出ず、やらなきゃと焦りながらも、あ~面倒くさいと先延ばしにしていませんか。頑張りたいけどやる気が出ないときの対処法を、心理カウンセラーがお伝えします。

1.春なのになぜやる気が出ないの?

寒い冬の時期は、イメージとして暗いトンネルの中にいる感じで、暖かくなる春が来ることを期待します。だから、「もうちょっとの我慢だ」とか「今耐えれば春にはなんとかなる」と頑張り続けた人も多いのではないでしょうか。

春は就職、転職、異動など環境が新しく変わることが多く、気持ちも切り替えやすい時期です。「よしここは心機一転、頑張ろう!」と張り切りたくなりますね。しかしこの時期は、まだまだ寒暖差や気圧の変動が大きく、また花粉症など、身体の不調を訴える人も多くなる時期です。身体の不調から、メンタル不調を引き起こし、なかなか思うようにいかない毎日についつい自分を責めていませんか?

冬に頑張り続けた人にとっては、今は「冬の疲れ」と「春の心身の不調」が乗っかった状態です。ですから、「やる気が出ない」というのは、まだ頑張るには適した状態ではないんだよという自分自身からのサインなのです。本来こういうときは、ゆっくり休養が必要です。普段の生活のオンオフをきっちり分け、オフの日はゆっくり休んで頭もリフレッシュさせましょう。

 

2.「頑張らないと」という思い込みが逆効果

春は新しい職場や部署異動などで、人間関係も新しくなります。この時期は、頑張っている自分をまわりに見てもらいたい、成果を上げて認められたいと、いつもよりテンションを上げてバリバリ頑張る人が多くなります。

自分もその人たちに遅れをとるまいと思うかもしれません。ところが、なぜかやる気の出ない自分に戸惑い、他者と比べては自分に嫌気がさし、ますますメンタルが落ちていく、という負のルーチンにはまってしまいます。そういうときに限って、何とかしようともがいてしまうんですよね。実は、やる気が出ないときに自分の気持ちを引き上げようとすることは、とても大きなエネルギーを使っているんです。しかも、まだまだ心身の疲れやストレスが軽減されていないときには、無理矢理に気持ちを引き上げようとすることは、逆にどんどん疲れやストレスを蓄積していくことになります。

まわりに影響されやすい人、人の目が気になるタイプの人は、特に要注意です。まわりと合わせようとするあまりに、自分の身体やメンタルの不調の対処を怠ってしまいます。自分自身の心身の状態を客観的に把握した上で、今が頑張れるときなのか、無理をしてはいけないときなのかを見極める力をつけていくことが、メンタル不調を防ぐ第一歩です。

新しい人間関係が始まったとき、頑張らないといけないという思い込みを外しましょう。頑張らなければと思うと心に力が入り過ぎます。新しい人間関係がスタートするときは、気負わず自然体が一番です!

 

3.それでもなんとか頑張らないといけないときのメンタルの整え方

「やる気は起きないんだけど、日々こなさなければならないことは待ってくれない」そう嘆いている人にとっては、悩ましい限りですね。そういう時は、いったん「やる気」という言葉を横におきましょう。「やる気」という言葉は、それ自体がものすごくハイテンションなイメージがあります。自分の調子が良くないときには、日々こなさなければならないものは、最低ラインをクリアできたらいいのです。

またやる気が出ない状態というのは、頭でずっと何かを考え続けて疲れ過ぎてしまった結果でもあります。不安や緊張がどんどん膨らんでいくと、次から次へとネガティブなことを考え続けてしまいます。そういうときは、とりあえず深く考えずに淡々と作業をするイメージを持ってやると、次第に調子が上向いてくることがあります。考え続けている自分に気づいたら、「はい、おしまい」と一旦終わりにすることを繰り返しましょう。

また日常のルーティンでもあるお皿洗い、入浴、洗濯など、面倒くさいなと思うときには、「とりあえず今日はやるけど、その代わり明日はご褒美でパス!」という言葉を毎日つぶやくと、毎日こなしていることになりますよ。

 

4.何をしてもどんどん悪化している感じがするなら

長期間、無気力が続いたり、休んでも疲労感が抜けない状況が続いているときは、身体や心が悲鳴を上げているのかもしれません。早めに一度、医療機関を受診することをおすすめします。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※写真:masajla / PIXTA、本文とは直接関係ありません

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