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ジメジメ憂鬱、梅雨時期の心の不調を防ぐコツ
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ジメジメ憂鬱、梅雨時期の心の不調を防ぐコツ

梅雨時期は、雨の日が増えて身体もなんだかだるいし、心もどんより憂鬱な気分になりがちです。梅雨だから仕方ないか…と憂鬱な気分のまま過ごしていると、どんどん気持ちがネガティブになっていきます。仕方がないと諦める前に、先手先手で対策をしていきましょう。心の不調を未然に防ぎ、明るい気持ちで梅雨を乗り切るコツを、心理カウンセラーがお伝えします。

 

1.なぜ、梅雨時期は憂鬱になるの?

「気象病」という言葉を最近よく耳にしませんか? 気象病は、気圧や気温などの天気の変化で身体的、精神的な不調を引き起こします。またそれほど強い症状はないけれど、雨の日が多くなると、なんとなくだるい、やる気が出ないということもあります。これは、急激な気温や気圧、湿度に適応しようと頑張り続けた結果、体内のバランスを崩し、ストレスを生じさせてしまうからです。

さらに雨や曇りの日が多くなる梅雨時期は、日照不足になってしまいます。日照不足になると気分の落ち込み、疲れやすい、睡眠が乱れる、やる気がでないなど、秋から多く見られる「冬季うつ」と同じような症状が出てきます。人間は日光を浴びることで、眠くなるホルモンの「メラトニン」が抑制されます。そして「メラトニン」は夜になると増えてくるので眠くなるのです。また日光を浴びることで神経伝達物質の「セロトニン」が分泌されます。この「セロトニン」は脳の働きを活発にさせ、精神を安定させる働きがあります。梅雨時期、憂鬱になりやすいのは、朝、日光を浴びる時間が少なくなることも原因の一つになります。

 

2.「五感を使う」―梅雨による心の不調を防ぐコツ

五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を意識して使うことで、憂鬱になるのを防ぐことができます。梅雨時期は、見る景色もどんよりとしていて、ジメジメとした感覚が気持ちを暗くしていきます。こういうときは、メリハリをつけることで早く気分転換が出できていきます。

たとえば、明るい色の花を飾ったり、ビタミンカラーの洋服を着たりするという視覚から元気を取り戻す方法。アップテンポな曲や気持ちがやすらぐ音を聞くなど聴覚からの方法。美味しい物をゆっくり食べるなど味覚からの方法。アロマや好みの香水などの香りを嗅ぐ臭覚からの方法などです。またペットをなでたり、触ると心地よいクッションを抱きかかえる、やさしく自分の肌をなでたり、頭皮のマッサージなど触覚からの方法も効果があります。その日の自分に合った方法を取り入れながら、毎日にメリハリをつけていきましょう。

 

3.「いい汗をかく」―梅雨による心の不調を防ぐコツ

梅雨時期は、気圧の低下や身体の冷え、さらに運動不足で身体がむくみやすくなっています。
またこの時期は蒸し蒸し暑いのですが、夏の時期と違って汗をうまくかけず体内で熱がこもってしまいます。水分バランスが崩れると、身体もだるくイライラしてしまいます。気持ちも内に内にこもってしまい、ストレスがどんどん溜まっていくのがわかります。ストレス発散法のひとつとして、適度に汗をかくというものがあります。身体の中に溜まったストレスを汗として外に出してデトックスしましょう。曇りの日のウォーキングやランニング、テレビを見ながらのストレッチや筋トレ、半身浴や岩盤浴といったものを毎日の生活の中で無理なく取り入れていきます。最低でも一週間に一度はいい汗をかいて身体と心にたまったストレスをデトックスすることで、気持ちが憂鬱になるのを防いでくれます。

 

4.「人からのマイナス感情を受けたらこまめにリセット」―梅雨による心の不調を防ぐコツ

雨の日の電車での出勤は、ただでさえ気持ちが乗らないのに、足下がぬれたりビショビショの傘が当たったりと不快感極まりないものです。また雨の日に限って子供がグズりイライラが爆発しそうになります。しかし梅雨時期にちょっとしたことで不快になるのは、あなただけではありません。あなたのまわりのほとんどの人も、マイナス感情を抱いてしまいます。

自分が気をつけていても、怒りのこもった言葉を耳にしたり、「チッ」と舌打ちを聞いたり、あからさまに機嫌の悪い態度に出合うこともあります。たとえ自分に対してではなくても、そういう人がまき散らすマイナス感情は知らず知らずの間に自分自身の心に影響を与えてしまいます。

人からのマイナス感情を受けたとき、何気に我慢したりやり過ごしたりせず、こまめにその都度リセットしていく必要があります。自分には関係のないものをブロックするイメージを持ちながら、大きく一息吐く、身体から汚れを払う仕草をする、両手を上に上げて大きく伸びをするなど自分流のリセット方法でこまめにリセットしていきましょう。

憂鬱になる前に色々な対処法で、カラッと明るい気分で梅雨時期を過ごしてくださいね。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※画像:T.kaz / PIXTA(画像はイメージです)

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