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要領がいい人にイライラ…要領のいい人・わるい人の違い
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要領がいい人にイライラ…要領のいい人・わるい人の違い

世の中、どのようなところにも要領のいい人はいます。職場や学生時代の友達、ママ友の中ですぐに頭に浮かんでくる人がいるのではないでしょうか。羨ましいと思う反面、要領のいい人たちを見ていると、どんどんイライラが止まらなくなることがあります。要領のいい人とわるい人の違いと、イライラへの対処法を心理カウンセラーの筆者がお伝えします。

 

要領がいい人の特徴

要領がいい人には、処理能力が高いタイプと上手く立ち回るタイプがあります。もちろん両方を兼ね備えている人もいます。処理能力が高いタイプは、覚えるのが早く、段取りの付け方が上手、臨機応変に対応できる能力を備えています。上手く立ち回るタイプは、人間関係を築くのがうまくてコミュニケーション能力が高い人です。さらに空気を読むのも長けていて、どのように接していけば自分に有利になるかを肌感覚でわかる能力があります。相手によって聞き上手になったり、褒めたり、甘えたりと、対応を変えることができるのです。

 

要領がわるい人の特徴

要領がわるい人は、生真面目で全てにおいて全力を尽くそうとします。仕事は丁寧なのですが、完璧主義なところがあり時間がかかります。また優先順位をつけるのが苦手で、頼まれたことを何でも引き受けるところがあります。また、人を信じやすく、人の言うことを鵜呑みにするところがあります。人に頼むことができず、何でもひとりでやろうとします。そしていつも空気を読んでいて、迷惑をかけないよう気遣っています。要領のいい人も空気を読むのが得意なのですが、目的が違います。要領のいい人は自分が不利にならないためなのに対し、要領のわるい人は場の空気が乱れるのを止めたい平和主義からくるものです。ですので、自己主張が苦手で、言いたいこともなかなか言えず、ストレスを溜め込みやすいところがあります。

 

なぜ要領のいい人にイライラするのか

要領がわるい人にとっては、「要領がいい」ことをどこかズルいことだと感じます。要領がいい人のことを、自分が得することばかり考えている自己中心的なイメージを持っているからです。だから自分は真面目に頑張っても、おいしいところだけ持って行かれているような気持ちになり、正直者はバカを見て報われないと腹が立ってきます。「真面目に頑張ればいつか必ず報われる、そうでなければ理不尽だ」とどこか思っていませんか? 自分は努力し真面目に頑張っている人、向こうは努力もせずに楽して上手くやっている人と分けていますが、実は要領のいい人とわるい人では、頑張っている方向と力の入れ具合が違うだけなのです。

そしてなぜイライラするのかというと、自分では認めたくない嫉妬心があるためです。要領のいい人は要領よくできる能力があります。しかし要領のわるい人は、その能力が自分にはないと思っているので、羨ましいとか悔しいとかの感情が生まれてきます。そして要領のいい人をズルいと思いイライラすることで、自分にはその能力がないことを直視しなくてすみます。これは自分がコントロールしにくい感情を軽減する防衛機制(無意識の心理的メカニズム)なのです。

 

要領のいい人へのイライラ対処法

もし要領のわるい人が要領のいい人の真似をしたとしても、どこかモヤモヤしてきます。それは自分の生き方の違いからくるものです。ただ、要領のいい人を見てイライラが止まらないのは、自分が正当に評価されず損をしている、要領のいい人のせいで迷惑を被っている状態だからではないでしょうか。こういう状態をそのままにしていると、どんどん被害者意識が強くなり心が疲弊していきます。まず、要領がいいという「能力」を、少し悔しいですが認めることがイライラを軽減してくれます。

しかし要領がわるい人に、その能力が全くないわけではありません。要領のいい人の能力の出し方が自分の信念に合わないだけかもしれないし、自分にはできないと思い込んでいるだけかも知れません。要領のいい人の段取りの付け方や対応の仕方などを自分流にアレンジして取り入れてもいいですね。そして自分なりの自己アピール法、自己主張の仕方を身につけていきましょう。

要領のわるい人は、何事にも誠実で優しくて努力家という長所があります。気遣いや相手のためにやってあげたことなど、黙っていることが多いと思いますが、やんわり「これ○○だと思ったからやっておいたね」と控えめなアピールにも挑戦してみてください。また何でも我慢するのではなく、理不尽なことがあれば上司に相談したり、直接本人に掛け合ってみることも必要になってきます。ずっと我慢し続けると、相手から舐められる可能性も出てきます。能力はそれぞれ差が出てくるかもしれませんが、人間としては誰でも対等なはずです。自分を守るためにも、また自分らしさを出していくためにも、少しずつ自己主張ができるようにしていきたいですね。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※画像:PIXTA(画像は本文とは直接関係ありません)

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