Close
強がりさん必見! 人に弱みを見せられる自分になるには
Home » 健康・メンタルケア » 強がりさん必見! 人に弱みを見せられる自分になるには

強がりさん必見! 人に弱みを見せられる自分になるには

人に弱みを見られたくない、弱音を吐けない強がりさんは、自分一人で抱えることが多く、心の中ではしんどくて苦しい思いをしています。辛いとは思いながらも、人に弱みを見せられないのはなぜか、そして強がりさんが本当に強いメンタルになる方法を心理カウンセラーがお伝えします。

 

1.勝ち負け思考が強い

人に弱みを見せられない人は、弱みを見せると「負け」だという思い込みがあります。ちょっとしたことで揚げ足を取られたり、弱みをからかわれたりして恥ずかしい思いや悔しい思いをした経験が、ずっと記憶に残っています。また、競い合うことで自分を高めてきた人は、自分の弱みに対して自らダメ出しをし、それを人に見せまいと思っています。経営者や管理職など、仕事上弱みを見せにくい立場になると、自分を追い込んで忍耐と精神力で乗り越えようとするため、少しでも他者に弱みを見られたら一気に心が折れるのです。

 

2.他者に対して敏感

「いつも明るく元気に頑張っている」自分を崩せない人がいます。それは、人はきっと自分のことをそんなふうに思っているに違いないと思い、その人たちの期待に応えたい、その期待を裏切れないと考えているからです。姉御肌の人や援助職やサービス業など、感情労働に従事している人は、人前ではスイッチが入ったように明るく元気に振る舞います。さらに人の愚痴や悩みを、自分の精神状態に関係なく、どんどん受け入れるところがあるので、バーンアウト(燃え尽き)を引き起こしやすくなっています。また人の目が気になる人は、弱い自分は人に見捨てられるという思い込みがあり、人から弱い自分と思われたくないと頑なに思っています。このようなタイプの人は他者評価がすべてなので、自分自身は自己肯定感が低いのが特徴です。

 

3.迷惑をかけたくない

自分が弱音や愚痴を人に聞かせるなんて申し訳ない、と思っています。聞いていて楽しい話ではないから本心では嫌だろうな。自分がこんな話をすると、心配をかけて気を煩わせてしまうのではないか。もっと大変な思いをしている人がいるのだから、こんなことで弱音を吐いてはいけない。このような思いがあります。常に自分より他者を優先するところがあり、自分さえ我慢すればいいという考え方になっています。人に気を遣うことで、自分の存在意義を見いだしていますが、同時に誰も自分のことをわかってくれないという孤独感も強くなります。

 

4.愚痴の出し方

人に弱みを見せられない人は、「弱み」と「愚痴」が同じだと思っています。しかし愚痴というのは、主観的な考えからきていて、こんなことをされたとか、こんなことを言われたなど、相手が悪いという言い方になります。一般に愚痴を言うのは、あまりいいことではないと思われています。自分は常識ある大人な人間でいたいと思う人ほど、愚痴を嫌う面があります。しかし心の健康の面から考えると、愚痴は出した方がいいのです。なぜなら、人を悪く言わない、迷惑をかけない自分だけが良くて、愚痴を言う、相手を悪く思う自分はいけないという考え方は、ネガティブな裏の自分を排除して、とても生きにくくなるからです。本来、人間はいろいろな面があり、そのすべてが自分自身を作り上げています。多面的でなく一面だけで生きようとすると、どうしても無理が出てくるのです。

ではどのように愚痴を言えば良いのでしょうか。確かに愚痴は聞かされる方としては、あまりいい気がしないのも事実です。ですから誰彼構わず愚痴を言うのはよくありません。愚痴の内容とは利害関係のない信頼できる人に聞いてもらいましょう。そして話した後は「聞いてくれて、ありがとう」と感謝を伝えておきたいですね。また、膿のように溜まってしまった愚痴ならば、思いっきり吐き出せるように心理カウンセラーなどの専門家に聞いてもらうのがおすすめです。もっと大変な人がいるのだから、こんなことで愚痴を言えない、などと考えなくていいのです。自分の人生の中でとてもしんどいことが心を疲弊させていく要因なので、ぜひ専門家を頼りましょう。

 

5.弱みの出し方

愚痴とは対照的に、自分の弱みについては、自分が弱いところを自分で客観的に見なければなりません。自分の弱いところがどこなのかを知る必要があるのです。まずそれがどこなのかを知るために、自分と向き合いましょう。一人では難しい場合は、心理カウンセラーなどの専門家と一緒に向き合うのもいいかと思います。その弱みに対してマイナスな評価をつけず、その弱みを自覚し認めることが大切です。強がった理想の自分ではなく、等身大の自分を受け入れることが、実は、強いメンタルを作る上で必要になります。そして自分が弱いところは、人に頼ったり任せたりすることで、人との信頼関係が構築され、一人ではないという安心感がメンタルを安定させていきます。弱くても、また弱いときがあっても、人との関係は崩れないという自信がメンタルの安定と強度を増していくのです。

[執筆:上土井 好子(公認心理師・心理カウンセラー)]

※画像:rainmaker / PIXTA(画像はイメージです)

Close