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親をバカにしない子どもの育て方 幼児期からのポイント
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親をバカにしない子どもの育て方 幼児期からのポイント

一生懸命育てているにもかかわらず、我が子が自分をバカにするような言葉を投げつけてきたら、悲しくなってしまいますね。もしかしたら、あなたも自分の子どもにバカにされるような親にはなりたくない! と思っているかもしれませんね。それなら将来に備えた予防が必要です。今後の親子関係を良好に保つため、幼児期から気を付けておきたい子どもとのかかわり方を紹介します。

 

親をバカにする原因は?

親に対して不満がある、反感を抱いている、信用できないなど、マイナスな感情が子どもの心に溢れていると親をバカにした態度をとることがあります。それは自分の心を守ろうとする行為とも言えるでしょう。小学生以降の子どもが親をバカにする態度は、ある日突然始まるわけではなく、これまでの小さな気持ちのすれ違いが積もり積もって、表に現れた状態です。だからその場しのぎで簡単に改善できる問題ではありません。だからこそ、予防策を講じる必要があります。子どもが幼児期にある今だからこそできるかかわりを、大切にしていきましょう。

 

親の自己肯定感が低い?

「どうせ○○だから」「○○だから仕方ない」「ママ(パパ)が悪いんだ」など、可能性を否定するような口癖は要注意です。子どもは親の背中を見て育ちます。一番身近にいてくれる親が、チャレンジせず諦めることの多い人生を送っていれば、子どもは将来に夢も希望も持てません。もちろん、人生思い通りになることばかりではありません。でも、その中でも生きる意味を持ち、家庭で、社会で、自分の存在価値に自信をもって生きているキラキラした大人がそばにいてくれれば、子どもは人生を肯定的に捉えることができるようになるはずです。

 

子どもは知っている?!

子どもには子どもの良さがあるように、あなたにはあなたの良さが必ずあります。あなたは、我が子の素敵さを知っていますね。そして子どもは、ちゃんとあなたの素敵さを知っています。それなに、親自身が自己否定してしまうと、その親から生まれた子どもは惨めさを感じるのではないでしょうか。子どもにバカにされるのは、もしかしたらあなた自身が自分のことをバカにしているからなのかもしれません。どうか、親として、自信を持ってください。自分の良さを子どもにどんどん伝えましょう。日々の生活で、頑張っていること、得意なこと、好きなことなどなど、生き生きとアピールしてあげてください。「ママ、パパ、かっこいい! 素敵!」と、自慢の親への第一歩になるはずです。

 

子どもの自己主張を受け入れすぎ?

我が子がかわいい余り、子どもの主張をすべて受け入れていませんか? もちろん、気持ちを受け止めるかかわりは大切です。でも、自分勝手な主張まで受け入れてしまうと、親子の立場が逆転してしまいます。「何でも言うことを聞いてくれる」便利な存在になってしまうと、子どもは親をバカにし始めます。親がするのが当たり前になり、してくれなければ「なぜ、してくれないの!」と苛立ちを感じるように。そして、親に対する感謝の気持ちも尊敬の気持ちも持てなくなります。幼児期から、子どもの主張と親の主張、両方をすり合わせながらお互いに納得いく方法を探すようなかかわりを続けていれば、互いの気持ちを大切にできる親子関係が築けるでしょう。

 

模倣の影響?

子どもは身近な大人の表現方法を見て学びます。つまり、親が子どもの前で誰かをバカにする発言を日常的にしていると、「他人を傷つけるような言葉を言っても許される」「バカにする言葉は、我が家では容認される」と思ってしまいます。だから、子どもはそれを真似ているだけかもしれません。

にもかかわらず、「自分が親をバカにすると怒られてしまう」経験をすると、子どもは親に対する不信感を募らせてしまうでしょう。テレビや友だちからの影響も多少なりともあるかもしれませんが、まず、家庭での発言を見直してみることは、かなりの予防策になってくれるはずです。

 

まとめ

これらのポイントをふまえて、小学校入学前の幼児期の子どもにかかわることで、親をバカにする行為の対策を講じることができます。保育園、幼稚園、子ども園などの小集団の小さな世界から、小学校に進学すると子どもの世界はグーンと広がります。様々な人との出会いで、今まで知らなかった言葉を覚えたり、価値観を知ったりします。

そんなとき、信頼できる親が近くで見守ってくれることは子どもの安心感につながります。そして、その親が生き生きとしながら自分を育ててくれる毎日は、子どもにとって自信につながっていくのです。子育てに追われ、家事に追われ、仕事に追われ、忙しい毎日を送っていると、自信を無くし、辛くなることがあるかもしれません。そんなときは、素直に子どもに助けを求めていいのです。子どもは親の味方です。

いつも頑張っているからこそ、弱ったときに協力し合える体制を家族間で作っておくことが将来的に「親をバカにしない子どもを育てる」秘訣なのです。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※画像 : ほんかお / PIXTA(画像はイメージです)

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