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虐待やいじめ、助けてくれなかった母…傷ついた娘は?
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虐待やいじめ、助けてくれなかった母…傷ついた娘は?

2017月7月、13歳の長女を児童ポルノに出演させた父親逮捕のニュースは世間に衝撃を与えました。長女は嫌々ながらも家計を助けるため我慢したと言っているそうですが、マスコミの報道によると母親も事情を知っていたようです。

 

■ 見てみぬふりの親の態度に傷つく娘

このニュースでは、子供を児童ポルノに出演させる父親の人間性を伺いますが、一方、見て見ぬふりをしていた母親も同罪といってもいいのではないでしょうか。本来なら真っ先に止めるであろうはずの母親が、助けるどころか容認していた事実は、おそらく、娘さんにとって深い心の傷となって残るはずです。

母娘関係改善カウンセラーの筆者のもとにも、過去、母親に見て見ぬふりされた経験をもつ方からの相談は少なくありません。そして、このような相談者さんに共通しているのは、当時の事実を今も引きずり苦しんでいるというのです。

 

■ 中学校時代、いじめにあっていたことを知っていた母親

埼玉県に両親、祖父母と暮らす会社員のA子さん(26歳)の例です。A子さんは、中学校時代にかなり深刻ないじめにあっていました。一人娘だったA子さんは「一人っ子だからって甘えてはいけない」という母親の教育方針があり、自分で問題を解決する傾向が強かったそうです。そのため親にも相談せず、ただひたすらいじめに耐えていました。

A子さんが中学3年の頃には、生理が止まり食も細くなった結果、体重はかなり落ちました。ですが、母親に気づかれまいと必死に隠し続けたそうです。

数年後、高校3年になったある日、進路を決める三者面談の最中、母親がいったひと言に、A子さんはわが耳を疑いました。母親は「この子は中学時代すごいいじめを受けて、食べることすら困難な時期がありました。それを乗り越えられたのだから受験もがんばると思います」と言ったのです。

これを聞いたA子さんは母親が全てを知っていたことにショックを受けました。知っていたのなら「大丈夫? お母さんに事情を話して」となぜ言ってくれなかったのでしょうか。摂食障害寸前までいっていたのに、どうして見て見ぬふりができたのか。以前からあった母親への不信感がここで一気に大きくなり、そこから距離を取るようになったと言います。

 

A子さんのようなケースは珍しくありません。母親に見て見ぬふりをされた事は事実ですが、困難を自分で乗り切ったことで自己肯定につなげるようにしませんか。一人では難しいとき、筆者のようなカウンセラーも頼ってくださいね。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)]

 

【参考】
※執筆者:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちから寄せられる母娘関係の相談にのっている。
※『文春オンライン』「13歳の娘を“児童ポルノ”に出演させて500万稼いだ父親の供述」週刊文春 2017年8月10日号より
※写真:PIXTA、本文とは関係ありません

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