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連休明けの子どもの登校しぶり、どうすれば?理由と対処
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連休明けの子どもの登校しぶり、どうすれば?理由と対処

連休明け、子どもの登校しぶりに悩んでいませんか。長期休暇後に、「学校に行きたくない」と訴える子どもは割と多いのです。子どもの言うとおりにして休ませていいものか、それとも無理やり行かせた方がいいのだろうか、悩むところですね。この記事では、そんな親子の気持ちを読み解きながら、親がとるべき行動についてお伝えします。

 

連休明けに子どもが登校を嫌がる理由とは

登校しぶりの理由は1つとは限りません。一人一人の背景によって理由は様々ですが、ここでは代表的な4つを紹介していきます。

登校を嫌がる理由1.家庭の心地よさ

1つ目は、「家庭の心地よさ」です。子どもにとって一番の安心安全な場所は家庭です。つまり、連休に家庭で過ごす心地よさをまだまだ味わっていたいという気持ちがあるとき、「学校よりもおうちがいい!」と言うのです。これは、親にとって何より嬉しい言葉です。新生活の中で1カ月頑張り続けた子どもが、家庭で過ごした時間が充実していたという証なのだから、登校しぶりがいつもネガティブな理由とは限らないのです。

登校を嫌がる理由2.集団生活への負担感

2つ目は、「集団生活への負担感」です。集団の人数が多ければ多いほど刺激が多く、自分に与える影響は大きくなります。刺激が多いということはそれだけエネルギーを消耗しながら生活しなければならないということです。家族でゆったりと穏やかな時間を過ごした後の集団生活は、どうしても負荷がかかります。一歩、家族の枠から外に出たら、子どもは自分で社会と向き合わなければなりません。OFFからONへの切り替えに時間がかかることもあるのです。

登校を嫌がる理由3.担任との関係性

3つ目は、「担任との関係性」です。「担任と自分」より「親と自分」の関係性の方が濃密です。連休中に過ごした親との時間が、子どもを幸せ感で満たします。当然のことですが、担任が親にかなうはずありません。だから子どもは「先生より、お母(父)さんがいい!」と言うのです。子どもが担任を嫌がるから、その担任が悪いとは限りません。そこは安易に判断せず、事実を確認しながら担任との関係性を探っていく必要があります。もし、4月中子どもの様子に不安な様子がなく、元気に登校していたのならお母(父)さんの愛情が先生に勝っている証拠ともいえるでしょう。

登校を嫌がる理由4.いじめ

4つ目は、「いじめ」です。いじめは、自分が「いじめられている」「苦痛を感じている」と思った時点でいじめと判断されます。4月中、辛い思いをしながら学校に行っていたのなら、連休後に登校しぶりになるのは仕方のないことかもしれません。子どもの中には、自分がいじめられていることを知られたくないと思っている子も多いので、親が子どもに関心を持ち、変化に気づいてあげられる存在でいることが大切です。

 

いじめかどうかを見分ける方法

「もしかして、いじめ…?」と不安になったとき、面と向かって「あなたはいじめられているの?」とは聞きにくいかもしれません。そうなる前に、普段から意識してほしいのが子どもの非言語メッセージです。これは、子どもから親へメッセージを伝える方法の1つです。非言語メッセージは、親が子どもに関心をもっていなければ受け取れないメッセージです。通常、私たちは、子どもの言語メッセージを受け取り、会話をしています。言語メッセージとは、言葉で伝えるメッセージのことで、しゃべることや、文字で伝える方法です。一方、非言語メッセージは言葉以外の身体、表情、視線、声色、口調、姿勢、動作、距離感など、子どもが無意識に発信しているメッセージです。体調不良が続いたり、無表情になったり、視線が合わなくなったり、覇気がなくなったり等々、ほんの些細な変化に気づけるかどうかが大切です。

そのような変化が見受けられないなら、登校しぶりも親の対応の仕方で改善する可能性は高くなります。もし、いじめの可能性があるとすれば学校や相談機関と連携をとりながら、よいよい解決法を早急に見つけていくことをお勧めします。

 

まとめ

親としては、「学校に行かせたい」気持ちを優先しがちですが、親の欲求を一方的に押し付けてはいけません。行くか休むか、それを決める前に大事なのは、子どもの気持ちを大切に包み込んであげることです。

子どもだって、本当は学校に行った方がいいとわかっています。それでも、「行きたくない」と主張している気持ちを「行きたくないと思っているんだね」と、まずは言葉にしてあげてください。否定ではなく、肯定の言葉から話すのです。「あなたのことを否定しないよ」と態度で示すと、安心して気持ちを話せる状態を作ることができます。

そして、行動ではなく、気持ちに焦点を当てていきます。「どうして行きたくないのか?」ではなく「行きたくないのは、どういう気持ちからなのか?」と聞いてください。面倒くさいのか、不安なのか、寂しいのか、気持ちが分かれば解決方法も見つけやすくなります。面倒くさいなら、今日一日だけお休みさせてあげるのも1つの方法です。不安なら、その問題を解消するための方法を一緒に考えることができます。寂しいのなら、たっぷりスキンシップをとって、気持ちを安定させてあげましょう。子どもには子どもの抱えている気持ちがあることを意識すれば、対応の仕方が変わってくるはずです。子どもの行動ではなく気持ちに注目すると登校しぶり解決の糸口を見つけられるはずですよ。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※写真: yuu / PIXTA(写真はイメージです)

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