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「親ガチャ」はずれ、と言われない子育てとは?
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「親ガチャ」はずれ、と言われない子育てとは?

今は可愛い子どもたち。でも、もしかしたら、将来「親ガチャ、はずれだった!」なんて言われる日がやってくるかもしれません。「反抗期だから仕方がない」と諦めますか? いいえ、諦めないでください。今からほんの少し、声のかけ方を工夫するだけで、「親ガチャ、あたり!」の子育てができるようになりますよ。

 

「親ガチャ」とは?

子育ては、楽しいことばかりではありませんよね。子どもに対して無償の愛を注ぐつもりでいても、親自身の時間や労力、金銭力、時には忍耐力が必要なときもあります。とにかく、子どもが生まれてから成人するまでの長期にわたって実践し続けていく壮大なプロジェクト。このプロジェクトの途中、「親ガチャはずれ」なんて言われたら……。想像するだけで、心が折れてしまいます。

最近、SNSなどでよく見かけるようになった「親ガチャ」という言葉。これは、子どもの立場から、「親は自分で選べない」「自分が生まれる境遇は運任せ」の状況を表現しているようです。家族構成、経済状況やコミュニケーションの取り方、容姿におけるまで幅広い基準で捉えているようですが、様々な媒体で発信される多様な情報に影響を受けているのでしょう。「親ガチャ」とは、現代の家庭における格差によって、子どもたちが感じる生きにくさから生み出された言葉なのかもしれません。

 

かかわり方次第で「親ガチャ、あたり」にできる

親ガチャとは逆に、「子ガチャ」という言葉もあるようです。これは親の立場から、「どんな子どもが生まれてくるかは選択できない」状況を表現したものだそうです。「親ガチャ」にしても「子ガチャ」にしても、現実として親子である今、それは変えようのない事実であることは確か。ただ筆者が思うには、互いに引き当てたガチャは、互いのかかわり方次第で「あたり」にできるのではないか、ということです。

スーパーに置かれているガチャガチャコーナーのおもちゃのガチャとあなたは違います。今、子どもに向き合っているあなたは、人生最大のプロジェクトをより良いものにしようと努力しているのですから、その気持ちを、まずは大切にしてください。そして、子どもが幼児期、学童期にある今だからこそできることをしていきましょう。

 

今、必要なかかわりとは?

では、今、必要なかかわりとは何でしょう? それは、子どもとのコミュニケーションの取り方を工夫することです。家族構成や経済状況などは、各家庭様々だと思います。その環境や状況は、そう簡単に変えられるものではありません。変えられないものに対して不満を抱いても、イライラが募るばかりです。変えられない状況に加えて、イライラしながら子どもとコミュニケーションしてしまうと人間関係まで壊しかねません。

日々慌ただしく子育てをしている中で、ほんの少し、子どもとの向き合い方を変えるだけで、将来の親子関係を良好に保つことができるようになります。将来、「親ガチャはずれ」と言われないために、今できることは今やっておきましょう。

 

子どもの目線に自分の目線を合わせましょう

日々忙しく子育てをしていると、ゆっくりと子どもと向き合う時間はないかもしれません。だからこそ、何気ない会話の中で簡単にできる工夫をお勧めします。それは、子どもの目線に自分の目線を合わせる会話スタイルです。子どもと大人では身長差があります。その差を埋めずに会話をし続けていると、気持ちのすれ違いが起こり始めます。時間の取れるときだけでもよいので、親はしゃがんで、子どもの目線に自分の目線を合わせて会話をするよう心掛けてみましょう。

 

子どもの言い分をいったん受け止めましょう

子どもの年齢が小さくても、子どもには子どもの言い分があります。たとえ納得いかない内容であっても、親の言い分はとりあえず横に置いておきましょう。子どもの言い分をいったん受け止めることで、子どもが衝動的な反発心を抱くことは無くなります。親が自分の話を聞く態勢を作ってくれていることで、子どもは安心して本音を話すことができるからです。

 

お互いに納得できているのか確認しましょう

子どもの本音を聞き出すことができたら、親の本音とすり合わせてみましょう。「〇〇くんの言いたいことは△△なんだね」「ママ(パパ)は、□□と思っているんだよ」と、互いの言い分を確認します。そして、その言い分が食い違う場合には、お互い納得できる方法を探す努力が必要です。せっかく言い分を聞きだしたのに、最終的に親の意向を押し付けてしまうと、これまでの丁寧なかかわりが無駄になります。これは時間のかかることかもしれませんが、とても大切なポイントです。幼少期からこの部分のかかわりを丁寧にしておくと、思春期に突入した子どもとのかかわりに悩むリスクが下がります。

 

「どうして」を「どうしたら」に変えていきましょう

お互いに納得できる方法を探すための声かけを工夫しましょう。「どうして納得できないの?」から「どうしたらお互いに納得いくか考えよう!」と言ってみるのです。子どもは「どうして~できないの」と詰め寄られると、威圧感に圧迫され素直に話ができなくなります。一方、「どうしたら~できるか考えよう」と、協力を求められると、話しやすくなるものです。これは、未来志向で考える声のかけ方です。

未来志向は、「今より良くなるために」どうすればよいかを考えるイメージです。子どもに声かけるとき、未来志向の言葉を意識するだけでずいぶん印象が変わってきます。

 

まとめ 親ガチャのこと

家族構成や経済状況は変えられなくても、コミュニケーションの方法は自分の意識ひとつで変えられます。例え、他の誰かより満たされた条件ではなかったとしても、「自分は親ガチャ、あたり!」と思える親子関係ができていれば、その親子の運命の親ガチャは大当たりです。

子どもが幼少期の今こそ、簡単にできる日常のかかわり方を子育てに取り入れることができれば、「親ガチャはずれ」の不安は、あなたの未来にはありません。すぐに結果が出るものではないけれど、日々の積み重ねは、確実にあなたを幸せにしてくれるコミュニケーション方法ですよ。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※画像 : FINEDESIGN_R / PIXTA(画像はイメージです)

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