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育児でイライラしない秘訣「省エネ育児」の実践方法とは
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育児でイライラしない秘訣「省エネ育児」の実践方法とは

「省エネ育児」という言葉をご存じですか? 毎日の子育てを頑張っているママとパパには、目からウロコの育児法かも知れません。もちろん、頑張っていても楽しく快適に育児ができていれば、問題はありません。でも疲れ切って、イライラしたり怒りっぽい自分に悩んでいるなら、省エネ育児を試してみる価値はありますよ。

 

頑張っているから腹が立つ

世の中には育児本や育児サイトなど、調べれば調べるほどたくさんの育児法が溢れています。いったい何を選べばいいのか、何が正しいのか迷うこともあるのではないでしょうか。それでも、迷いながらも「我が子のために」と、一生懸命育児をしているママとパパは本当にすごいです。本当にすごいのに、実はそのすごさに無自覚でいる人がなんと多いことか!

今日お話しする「省エネ育児」のスタートラインに立つ前に、まず気づいてほしいのが、「毎日、育児を頑張っている自分はすごい!」という自覚です。この自覚がなければ、後ろめたさや恥ずかしさを感じてしまい、省エネ育児を上手に活用することができなくなってしまいます。だから、今、どんな状態だとしても、この記事を読んでいるあなたは、子どものために、自分のために「何か変えられることはないか」と前を向いている人なので、ちゃんとすごい人なのです。自信をもって大丈夫です。

とは言え、日々育児が上手くいかなくてイライラしてしまう、つい怒ってしまうという人はたくさんいます。本当は怒りたくないのに、楽しい子育てがしたいのに、なぜ子どもにイライラしてしまうのでしょうか? それは、「のに、なんで」という言葉に隠されています。「子どものことを思っているのに、なんで」「こんなに一生懸命しているのに、なんで」「良かれと思ってしているのに、なんで」思い通りにならないのか、うまくいかないのか、とイライラするのです。つまり、自分が一生懸命に頑張れば頑張るほど、イライラや怒りは発生しやすくなるということです。

 

省エネ育児は悪くない

子どものために頑張ることは、親として当たり前だと思っている人も多いのかもしれません。でも、親だって疲れることもあれば、体調不良のこともあるわけで、いつでもエネルギーが溢れかえっているわけではありません。家事をして、仕事をして、育児をして、園や学校と連携もとりながら様々なことを同時進行で行っていれば、エネルギー不足になるのは当然のこと。そして、知っておいてほしいのは、エネルギー量の低下に反して増加するのがイライラ量です。しかも恐ろしいことに、イライラや怒りの感情はあなたのエネルギーを大量に消費するのです。つまり、イライラすればするほど余計にエネルギーを消耗するということです。このままエネルギーが底をつく前に、自分で補充していきましょう!

 

「べき」を手放す

育児にエネルギーをかけすぎず、適度なバランスで楽しく乗り切る省エネ育児は、エネルギー補充に効果的です。省エネ育児を実行するために、ぜひ手放してもらいたいものがあります。それが「べき」という考え方です。例えば、大きな枠でいうと「子育てはちゃんとするべき」です。そして、この「ちゃんとする」をもう少し具体的に言うと「行儀よく食事をするべき」「夜21時までに寝かせるべき」「宿題は、帰宅後するに終わらせるべき」「弁当は手作りであるべき」「毎日丁寧に掃除をするべき」などなど、育児、家事における様々な「べき」です。「べき」をたくさん持っている人ほど、理想のあるべき姿と現実との違いにイライラを感じてしまいます。

あなたの子育てにおける「べき」は何ですか? 書き上げてみてください。そしてその中から「ま、いっか」「たいしたことじゃない」と思えるものだけでいいので、捨てられる「べき」を思い切って手放してください。イライラしなくていいことが増えれば、エネルギーの消費は抑えられます。

 

「できていること」に目を向ける

ほんの少しイライラから解放されれば、いよいよ省エネ育児の開始です。普段から頑張っている人は、ちょっとくらいズボラになっても大丈夫です。それでも後ろめたさがあるのなら、物の見方の視点を変えてみましょう。「あれもできてない、これもしなくちゃ」という視点から、「これはできている。今日はほんの少しだけど、うまくいった」に変えてください。できていることに目を向ければ、自分を肯定的に捉えることができます。

そして、子どもに対しても、同じ視点で目を向けてみてください。今まで見えていなかった子どもの「できていること」を新たに発見できるはずです。完璧でなくていい、ズボラくらいがちょうどいい、適度なバランスで今までとは違う視点で子育てをしてみましょう。気持ちが楽になれば、怒らなくて良いことが増えるのでエネルギーは自然に補充され、生き生きと育児を楽しめるようになるはずです。

 

まとめ

どの育児法を選ぶかが重要ではなく、「自分がどんな育児をしたいか?」が思い描ければ自分に合った育児方法が見つかるはず。そのためには、イライラを手放して自分のエネルギーを無駄使いしないことが大切です。一生懸命、育児を頑張っている自分に自信を持ってくださいね。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※写真:imacoconut / PIXTA(※写真はイメージです)

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