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どうすれば、子どもは親の言うことを聞くようになるの?
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どうすれば、子どもは親の言うことを聞くようになるの?

子どもって、成長とともにだんだん言うことを聞かなくなりますよね。幼児期にさしかかると、乳児期とは違う大変さを感じるようになります。成長と共に子どもの自己主張に対応しなければならない状況は、親にとって、時間と労力を費やさなければならないからです。

今回は、「あ~、もう少し楽に言うことを聞いてくれたらいいのに」とつぶやく保護者の方に、試す価値ありの2つの方法をお伝えします。

 

なぜ、子どもは言うことを聞かなくなるのか?

これはまさに、成長の証です! 親からすれば言うことを聞かない子どもに見えるかもしれません。でもそれは、子どもの自我が芽生え始めた時期の自己認知によるものです。自分が何を感じて、何をしたいのか、親や兄弟、友達から何らかの刺激を受けたときに、自分と向き合い、自分の思いや考えを主張しようとする力がついたからこその行動だと言えるのです。だから、言うことを聞かないのではなく、自分の行動を自分で決めていると考えてみましょう。そうすれば、子どもの行動に少し寛容になれるのではないでしょうか?

 

しつけは厳しい方がいい?

とはいえ、その行動がわがままなものであれば、厳しくしつけをした方がいいのでは? と考えるかもしれませんね。ちなみに、子育てにおけるしつけとは、日常生活での行儀作法や生活慣習の型を身に付けさえることで、家庭内での初期教育と言われています。だとすれば、これらが身に付けられるのであれば、必ずしも厳しいしつけがいいとは言い切れません。「厳しくしつけなければ」と強く思い込むと、うまくいかないとき、思い通りにいかないとき、子どもが従わないときに怒りがわいてしまいます。「いい加減にして!」「何度言ったら分かるの!」などの強い口調でのかかわりが多くなりすぎると、子どもの自尊心を傷つけるかもしれません。

 

言うことを聞かせる2つの方法

子どもに言うことを聞かせる方法としては2つあります。それは、「脅し」と「感心(関心)」です。子どもに限らず、人は恐怖を感じたとき、その恐怖から逃れるためにとりあえず相手の言うことを聞こうとします。その場合、表面的には言うことを聞いているように見えたとしても、心の中は不信感や反発心でいっぱいになります。これでは、根本的な問題解決には至りません。

一方、子どもが意欲ややる気が持てるようになれば、自然に行動が変わり問題は解決していきます。その意欲ややる気を引き出す方法が、子どもに感心(関心)をもってかかわることです。子どもの問題点ばかりに注目するのではなく、良いところ、できているところを言葉にして伝えてあげる方法です。

 

伝える言葉の語尾を変えてみよう

「〇〇は、すごくいいね! ママ、感心したよ。もし、〇〇ができるようになれば、もっとカッコいいと思うんだけど、できるかな?」「一緒にやってみようか?」と伝えてみるのです。語尾にポジティブな感情をプラスしてセリフを作ってみてください。そして、「できるかな?」「一緒にやってみよう!」「チャレンジしたらできるかもよ」など、前向きな気持ちになれる言葉を添えてください。「✕✕したら✕✕できないよ!」など、ネガティブな語尾で完結させないように注意するだけでも、子どもが言葉を受け取るときの印象は変わります。

そしてもう1つ。セリフに、「大丈夫?」をつけてみる。この一言が、子どもに安心感を与えます。子どもの気持ちを尊重しようとする言葉だからです。「なんだか食欲がないけど大丈夫? 全部食べたほうが、一日元気に過ごせると思うけど、無理そうかな?」または、「元気がないけど大丈夫? 心配なことがあるなら話を聞くよ」「大丈夫、ママはあなたの味方だよ」などです。「大丈夫」は、気持ちの共感力を上げる魔法の言葉です。

 

子育てが楽になる瞬間とは?

子育てが楽になる瞬間は、自分が意識すればいつでも見つけられます。「楽」って、「らく」ともよむけど「たのしい」って漢字でもありますよね。子どもに感心(関心)を向けると、結構、笑えることや嬉しいことって見つけられるものです。セリフの作り方をすこし工夫するだけで子どもとの会話は膨らんでいきます。イライラしながら関わっていると見過ごしがちなことですが、すこし視点を変えてみて、その中から子育ての「楽」を見つけてみてください。

 

まとめ

子どもに言うことを聞かせたい欲求が親にあるのと同じように、子どもにも親に言うことを聞いてもらいたい欲求があります。一方的に親ばかりが欲求を通そうとすると、うまくいかないのは仕方のないことかもしれません。親も子もWIN‐WINな関係を作るために、親も「楽」、子どもも「楽」な気持ちになれるセリフの作り方を工夫してみましょう。きっと、親子の関係は変わってくるはずです。「自己主張が始まった! ただ今うちの子、成長中!」を合言葉に、我が子の成長を喜び合えるといいですね。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※画像 : yuu / PIXTA(画像はイメージです)

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