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どうすれば、子どもが自主的に宿題をするようになるの?
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どうすれば、子どもが自主的に宿題をするようになるの?

「子どもが宿題をしない…」と悩んでいませんか? 親が「宿題をしなさい!」と言わなくても、自主的に宿題をしてくれる子にするためには、どうしたらよいのでしょう? 残念ながら、親が怒ってばかり命令ばかりでは、いつまでたっても自分でできる子にはなりません。今回は、保育学研修の専門講師である筆者が、親がガミガミ言わなくても子どもが宿題をするようになる方法を伝授します。

 

「宿題しなさい!」と怒ってばかりいませんか?

帰宅後すぐに遊びに行く、家でゴロゴロゲーム三昧、気づいたら爆睡中など、子どもの姿にイラっとくることもありますよね。そんなとき、「いつになったら宿題をするの!」とガミガミ怒っていませんか? 実はそれ、全く意味がありません。子どもは余計に反発したり、逆に心を閉ざしてしまったり、例え素直に従った場合も、それはそのとき限りの行動で、同じことの残り返しになるのでは?

 

過去の自分はどうですか?

今は親として「子どもに宿題をしてほしい」と願う立場になりました。でも、過去にさかのぼって「自分が率先して宿題をしていたか?」と考えてみると、自信をもって「YES」と答えられる方は少ないのではないでしょうか。面倒くさかったり、先延ばしにしたり、ときには忘れたり。我が子の姿と重なる光景が見えてはいませんか? だとしたら、子どもの気持ちも多少理解できるはず。とはいえ宿題をしなければならない現実から逃れることはできないので、やはり、何とか自主的に宿題に向かえる状況を作りたいですよね。

 

「怒る」から「聴く」へ

そこで試してほしいのが、「聴く」ことです。「聴く」ためには、子どもが話をしたいと思う状況を作る必要があります。そのきっかけ作りとして有効なのが「共感」です。「その気持ち(その状況)、わかるわかる!」と共感することです。例えば、「宿題が多いと大変だよね。今日は、どんな宿題が出ているの?」「わー! 結構あるね。確かに、やる気がなくなるかも」「そうだよねー。難しいと面倒になってしまうよね」「わかるわかる」という具合に、子どもが感じている「宿題をしたくない」気持ちを全部、言語化して共感します。そのあとで本題に入るのです。「面倒だからしたくないけど、やらずに学校に行っても大丈夫なの?」「そっか。やらないといけないとは思っているけど、やる気にならないんだね」「わかるよ。でも、やらなきゃいけないって思っているのは、やる気はあるってことだから偉いよね」「どうしたら、行動に移せるだろうね?」子どもの答えに対して、否定せずいったん共感します。「〇〇って感じているんだな。考えているんだな」と子どもの心情に耳を傾けて聴いてあげましょう。

 

理想の状態を考える

そして、今後の対応法を決めていく前に、親自身がどの状態をOKにするのか事前に考えておきましょう。例えば、いつするのか、いつまでにするのか、どういう方法でするのか、どこでするのか、誰とするのかなどを目安にすると良いですよ。帰ってすぐに宿題をさせたいのか、提出日までにすべてを終わらせることができればOKなのか。一度にすべてを終わらせるのか、休憩をとりながら、期間を開けて計画的に終わらせるのか。テレビを見ながら、音楽を聞きながらするのか。静かな部屋で、リビングで、子ども部屋で、塾でするのか。1人で、親兄弟と一緒に、友達とするのか…など、「宿題をする」ためにOKなことと、NGなことをある程度整理しておきましょう。

 

やる気を引き出す提案

最後に、「この方法ならできる」「この状況ならできる」を、丁寧に確認していきます。このとき、親の一方的な押付けや決めつけの方法にならないよう注意し、子どもの意向も聞き入れながら相談しましょう。例えば「プリントやドリルは、帰ってすぐに終わらせる。遊びに行く日は、家に帰ってから残りの宿題や本読みをするのはどうかな?」「子ども部屋で宿題をするとスマホを使いたくなるのなら、宿題の間だけ親にスマホを預けておくのはどうかな?」「家ではやる気が出ないとき、塾の自習室を利用してみるのはどうかな?」「もしリビングで宿題をしたいなら、その間は協力してテレビは消しておくから集中して終わらせるのはどうかな?」「他にいいアイデアを考えてみて?」などです。子どもの意見を含めながら相談しましょう。

 

まとめ

子どもが自主的に宿題をするには、自分で「やろう」と思うことが大事です。その気がない子をその気にさせるには、ある程度時間はかかります。でも、向き合って「聴く」姿勢を持つことは子ども理解につながるので、その中から我が子にあった方法や声かけのヒントを見つけられるはずです。子どもの「それならできるかも」の気持ちが芽生える工夫を考えてみてください。性格や年齢、興味関心、得意なことなど含め子どもの特性を生かした提案ができれば、子どもの行動は変わっていくことでしょう。

[執筆:野村 恵里(子育て・保育専門研修講師)]

※画像 : TY / PIXTA(画像はイメージです)

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